高尿酸血症(痛風)とは
血液中の尿酸が過剰な状態が続く疾患です。過剰な尿酸は血液中で鋭い針状の結晶になって足指の関節や膝、足首などにたまることがあります。この尿酸結晶による炎症が起きて足の親指などの関節に激しい痛みを起こすのが痛風発作です。高尿酸血症で尿酸値がかなり高くても痛風発作を起こさないこともありますが、腎臓などに深刻なダメージを及ぼしたり、動脈硬化を引き起こしたりする可能性がありますので、健康診断などで尿酸値の高さを指摘されたら受診して適切な治療を受けましょう。
痛風発作が起こったら
患部を高い位置に保って冷やします。患部の安静を保つことが重要ですので、マッサージなどは厳禁です。
発作による痛みはほとんどの場合、24時間以内にピークが来て、その後徐々に緩和し、1週間程度で解消に向かいます(時には長引くこともあります)。痛風発作の再発を防ぐためにも、できるだけ早く受診してください。
ただし痛風発作が起こった状態で高尿酸血症の治療を行うのは危険です。まずは症状を解消させてから状態をしっかり確認し、高尿酸血症の治療が適した時期なったら薬物療法をスタートさせることが重要です。
高尿酸血症の原因
栄養過多などによって内臓に脂肪がたまり、内臓脂肪が遊離脂肪酸を産生してそれが肝臓に運ばれ、プリン体の代謝が過剰になって尿酸値を上昇させます。生活習慣によって生じるため、生活習慣の改善が必要です。それで十分な効果が得られない場合には、薬物療法を行います。
高尿酸血症のリスク要因
- プリン体の多いレバー、エビ、魚卵、肉類などをよく食べる
- ビールやお酒をつい飲み過ぎてしまう
- 清涼飲料水をよく飲む
- 激しい運動をすることがある
- 30歳以上の男性
- 内臓脂肪が蓄積している
- ストレスをためやすい
- 痛風発作を起こした血縁者がいる
- 水分をあまりとらない
など
高尿酸血症の薬物療法
食事の改善を中心にした生活習慣改善と、薬物療法を行います。水分の積極的な摂取なども重要になります。
また、血液検査で尿酸値が十分に下がってからも、血中の尿酸結晶が溶けるまでには時間がかかります。しっかり治療を続けてコントロールしていきましょう。なお、尿酸値は急激な変化によって痛風発作を起こすことがあるため、注意が必要です。医師の指示を守って服薬してください。